人々の生活に密接なものだった「のれん」

街並みを目にすると、随所にのれんがぶら下がっているのを
目にすることが出来ます。

本来は商家や武家屋敷の中で、玄関の防寒設備のために
設置されていたといわれていますが、結果的には塵除けや日除け、
そのままお店の看板の役割も担うようになるなど
多機能性を発揮しているため、一概にその特徴を認識することは難しくなっています。

いわばプラグマティカル(実践主義的)に応用が利くので、
使用する人の目的や設置場所によっても異なる意味合いを
持たせることが可能になっている訳です。

最近では、のれんは一般家庭のインテリアの穂と津に使用されることも
珍しくなくなってきつつあります。

よく見かける

なかには、和室よりは洋室の雰囲気や意匠にフィットした
デザインのものまで発売されているほどです。

生地素材には天然素材のものが用いられ、ポリエステル繊維などは
使用されることが少ないことも、大量生産ではないハンドメイド感を
感じさせてくれるのもポイントです。

身近な存在であったことから、のれんは手作りで製作することも出来ます。

用意するのは使用する生地と簡単な通し棒だけです。
作り方ですが、上部に棒を通せる穴を縫い合わせて作っておいて
通し棒を通せば完成です。

簡易的なものでしたら家庭でも自作可能ですので、ぜひ試してみてください。

「のれん」が入った慣用句

のれんは従来から日常生活になくてはならない存在だったことから、
各種の慣用句にも事欠きません。

例えば、「暖簾にかかわる」という言葉があります。

これは自分のお店について高いプライドと見識をもっているので、
店の評判を落とすような下品な振る舞いや挙動は許さない、という趣旨です。

日本では従来からの伝統を尊重する風潮が強く、
「暖簾」は先達達が築き上げてきた有形無形の
その店舗の財産を意味しているので、子孫の代の
軽はずみな振る舞いでこれまでの実績を無くするような
行為は許さない、との共通した認識を垣間見ることができる慣用句です。

また「暖簾に腕押し」というのも日常生活で比較的良く耳にする慣用句です。

暖簾に腕押し

これは手ごたえや張り合いが全く感じられない、という趣旨で用いられる言葉になります。

このような慣用句に用いられるほど、わが国では伝統的に
「暖簾」を重視してきました。

先代から当代へそして次代にまで、そこには長年の歴史の中で
積み上げられてきた実績や技術を確かに承継させる、との思いが込められているのです。

「のれん分け」という言葉にも単に職人が別に店舗を構えて
独立を許すといった意味合いだけでなく、当家の技術を宣伝しても
恥ずかしくない、という暖簾もとの当主の想いが込められているのです。